目的・理念を共有することの重要性
- Akihiro Goto
- 2018年3月24日
- 読了時間: 2分
更新日:2018年3月25日
異なる文化背景や価値基準を持つ人とコミュニケーションする上で重要なことは、お互いの目的や理念を共有できるかどうか。人の行動は、言語だけでなく行動様式も文化や過去体験に影響を受けるため、異なる行動は異なる考えの現れであるかのように思いがちだが、目的や理念が共有されているかどうかとは無関係である。
TEDで最も人気のある講義の1つである、Simon Sinek "Why great leaders inspire action ?"(優れたリーダーはどうやって行動を促すのか?)は、本来はリーダーシップを語る講義ですが、私には、異なる価値観を持つ人とのコミュニケーションにおいて「目的・理念を共有することにフォーカスする」ことの重要性に気づかせてくれる講義でした。
人や企業は、What(何をするのか・作るのか)や、How(どのようにするのか)に目を奪われてしまいがちだが、唯一重要なのは、Why(なぜするのか・作るのか)という目的・理念である。これが共有できなければ、何をしようと、どのように行動しようと、無意味である。
優れたリーダー(企業)は、このWhyへこだわりが、目的意識や理念を共通とする人々(顧客)の共感へ拡がり、多くの支持者(ファン)を獲得できるというメッセージですが、異文化コミュニケーションにも大いに参考になります。
行動様式が異なっていても、目的・理念で繋がっていれば大切な同僚
例えば会議の時に、日本人は上司のプレゼンテーションに対して反論や質問をすることは少ないのに対し、欧米人は積極的に発言している光景をよく見かけます。日本人は、異論があっても公に発言することは上司に対して失礼にあたると考えるため会議中は発言せず、別の機会を探ることが多いですが、欧米人は、異論であってもプレゼンターへ発言することは自分が議題に関心を持っているという証であり、むしろ沈黙は無関心を意味するためにプレゼンターに対して失礼にあたると考えます。このように、両者はプレゼンターに対する同じ敬意を持っていながら、会議中の行動は真逆となっているのです。外国人とのコミュニケーションは、言語的な障壁もあって容易ではありませんが、本来の目的や理念をいかに分かり合って共有するか心がけていれば、次第に意思疎通ができるようになっていきます。
もちろん同じ日本人同士でも、過去の体験や性格の違いから行動様式が異なることは頻繁に起こりますから、そんな時にもこのメッセージは役に立つと思います。
「なぜ」を考えながら他者と行動することで、目的や理念を共有しやすくなり、周りの人とより深い関係を築くことができる。だから「なぜ」を考える人や企業は成功するのだと思った。
仕事をしていると、ついつい何をしなきゃいけないのか(What)、どのようにすればいいのか(How)に意識が向いてしまうが、「そもそもなぜこの仕事をしているのか(Why)」ということに立ち戻る癖をつけないといけないですね。