”週次”は、プロジェクト管理にとって最適なサイクルなのか?
- Akihiro Goto
- 2020年7月3日
- 読了時間: 4分

一週間が7日間である由来
7日間を一週間という単位にしたのは、古代バビロニアが起源だといわれ、約4000年前に遡ります。 古代バビロニアでは、月の満ち欠けの周期である28日~30日を基準に一ヶ月という単位としていたのですが、一ヶ月では長かったので、一週間という単位を決めたと言われています。
また、キリスト教圏では、創造主が世界を6日間で創り上げ、7日目に休暇を取ったという聖書を引用されることが多いそうです。
他にも諸説あります。そして、過去にはフランスで一週間を10日程度に変更したり、ソビエトで5日や6日に変更したこともあったそうですが、いずれも不評であり、結局7日に戻ったそうです。
7日周期と人間のバイオリズムが関係あるのかどうか定かではありませんが、我々は無意識のうちに全ての事柄を7日周期で考えていることに気づかされます。
ニューノーマル時代も7日周期は続くのか?
6日働いて1日休暇を取る(現代では5日働いて2日休暇を取る場合が多いですが)、ということが社会の当たり前になっていますが、働き方の多様化、デジタル進化により、仕事と休暇(オンとオフ)の境目はどんどん曖昧になってきていたところ、コロナ・ショックにより、さらにパラダイムが変わろうとしています。時間とともに、オンとオフを区別する基本ファクターであった場所(ロケーション)という条件は、急速に境界線がなくなろうとしています。週休2日(通常は土日休暇)という制度も、週休3日へシフトしていったり、それも3日連続なのか2日と1日に分けるのか、或いは、何曜日に休暇を取るのか完全に個人に委ねられる、という時代変化が起きるかも知れません。
とは言え、社会を構成する様々な組織(学校、企業、店舗、病院、娯楽施設、等々)がバラバラの周期で動くのは極めて非効率ですから、一週間7日という周期は結局のところ変わらないのだとは思います。ただ、プロジェクトというのは、理論的には7日周期に縛られることはないと言えます。とすると、殆どのプロジェクトで実施される進捗確認のための定例会、つまり「週次定例」は、果たして常に最適な管理サイクルなのだろうかという疑問が生まれます。
リアルタイム性の功罪
情報の伝達には時間と人手がかかり、特に過去の非デジタル社会においては顕著でした。従って、プロジェクトの進捗報告というのも、報告者が情報収集をする時間、報告書をまとめる時間、それを順次、組織・チームの階層に沿って下から上へ伝達されていくのにかかる時間、というように一定のリードタイムを必要とします。プロジェクト責任者が今日受け取った報告は、数日前、数週間前の現場状況を反映している、というタイムラグが生じるわけです。
タイムラグはないほうがいい(短いほうがいい)と誰もが考えがちです。しかし、リアルタイム性は、理想のように思えますが、その弊害もあると考えています。人間の脳神経というのは、何らかの「変化」を認知するためには、一定の閾値を超える必要があるそうです。つまり、少しずつ変化していく事象に対しては、それが変化していることに気づくのが難しいということです。従って、リアルタイム性が進んだ場合に、毎日・毎時間状況をモニタリングできる環境というのは一見優れているように思えますが、実際は、変化に鈍感になり、対応が遅れるというリスクもあるのです。
週次定例とモニタリングは、目的が異なるアクション
プロジェクトには、毎日の現場業務に関わっているわけではないものの、マネジャーやオーナーといったステークホルダーが存在し、彼らに対する定期的な進捗報告は必要です。その場合に、プロジェクトの変化を示す上で一定程度のサイクルをもつのは意味があり、よって週次定例というのは、今後もスタンダードであることは変わらないだろうと思っています。
しかし、週次定例は、プロジェクトの現状を示す上で十分に機能を果たす一方で、数日のタイムラグを伴う事後報告であるという認識は持っておく必要があります。そこで、プロジェクトの状況を正確に把握し続ける必要があるPMOにとって、日常的に(リアルタイムに)モニタリングすることが重要になります。これまで、PMOはタイムリーなモニタリングのために、色々なメンバとまめにコンタクトして情報収集をしたり、また、日次ベースで報告を受けたり、人海戦術を駆使してマネジメントしていたのではないかと思います。
近年では、プロジェクト状況をモニタリングする上で有効なプロジェクト管理ツールが多数登場しています。そのリアルタイム性にフォーカスしたツールもあります。このツールをうまく使いこなせるかどうかが、PMOとしてのクオリティを左右していくようになっていくと思っています。
スタンダードな週次定例と、PMOによる日常的なモニタリングは、目的が異なるものであり、どちらかが望ましい、ということではないということです。リアルタイム・モニタリングと、それを可能とするプロジェクト管理ツールに関して、別の記事で詳しく触れたいと思います。
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